所有機材レビュー : Elektron Model:Samples
こんにちは、A Smooth Architectです。
今日はいくつか僕が持っている音楽制作用機材のうち、ネット上でレビューをほとんど見かけないものを紹介したいと思います。それはスウェーデンのElektron社が発売しているサンプリング・ドラムマシン、Model:Samplesです。
Elektron社の機材は、日本製品と比べると価格は高めなのですが、独特の機能を多く備えており、特にヨーロッパのテクノ・ミュージック制作者の間で人気が高いことで知られています。日本でも熱狂的な愛好者が多くいるようなのですが、なぜかこの機種だけは人気がない(笑)。たぶん発売当時、価格に比べると機能が少なすぎる、という判断を受けたのだと思われますが、その後値下げとバージョンアップによる機能強化が行われたので、十分「買って損はない」機材になったと思います。
それではこれで何が出来るのか。論より証拠というわけで、僕が作った動画をいくつかご覧ください。
Elektron社の製品は、操作が難解なことで知られています(ボタンをダブルタップして機能を出すとか)が、Modelシリーズの特徴として、「ほとんどのパラメーターがツマミとして外に出ている」ことが挙げられます。その分、出来ることは上位機種と比べて多くはないのですが、工夫次第で十分面白いことが出来ます。
たとえばサンプルの長さやスタート・ポイント、ピッチ、フィルターやエフェクト(ディレイおよびリバーブ)のかかり具合をリアルタイムに変更することが出来ます。かつその動きはほとんどすべて記録可能(いわゆるパラメーターロック)なので、ライブ操作に自信がない、という人でも安心(?)です。さらに、ツマミをぐちゃぐちゃに弄ってしまって収拾がつかなくなった場合、一瞬で元の数値に戻すことも出来ます(最初の動画で、ディレイのフィードバックを止めているのがそれです)。
シーケンサーは6トラックなので、同時に再生できるサンプルも最大6つ(48KHzモノラル、PCからの取り込み時に自動変換。トラックごとにパンは設定可能。タイムストレッチをかけることは出来ません)ですが、ステップ(トリガー)ごとに別のサンプルを置くことが出来るので(1パターン中最大26個)、かなりゴージャスな音を鳴らすことが出来ます。またトラックごとにステップ数を別々に設定できるので、いわゆるポリリズム的な表現も可能です。サンプルに音階を付けて演奏することも出来ます。
なお注意点としては、T1~T6ボタンは、トラック選択やミュートの他、リアルタイムで音を鳴らすためのパッドも兼ねているのですが、かなり力を入れて叩かないと反応しません。その一方で、その下にある16ステップボタンは、そっと押さないと反応しません(苦笑)。最初、16ステップボタンの方も力いっぱい叩いていたら、全然反応しないので、てっきり故障かと思いました。いやホント。
あとは、サンプルの音質が、取り込んだ後はけっこう変わります(少しモコモコした感じになる)。これはまあ、「味」だと思うしかないですね。僕は結構好きなんですが。ちなみにプリセットで付いてくるサンプルはヘンテコ過ぎて、ぶっちゃけ使い物にならないです(笑)。この辺はメーカーの個性が出ていますね。
最近はあちこちのベンダーがネット上で無料サンプルを配りまくっていて、どう使ったらいいのかわからないままPCのディスク容量を食っている人も多いと思うのですが、そういう人にModel:Samplesはオススメの機材かと思います。
Tips:
「Fillモード」を使ったフィルインの入れ方は以下の通りです(マニュアルには載っていません)。
1)フィルインの時だけ鳴らしたいステップ(トリガー)をONにする(スネアとかね)。
2)1)でONにしたステップボタン(トリガーキー)を押しながら「COND」ツマミを回して、ディスプレイに出ている「Fill」の表記を反転させる(パラメーターロックを掛ける)。
3)パターンを鳴らしながら「PAGE」ボタンを押すと、フィルインが入れられる。
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