所有機材レビュー : Novation Circuit Rhythm
こんにちは、A Smooth Architectです。今回も「自分は愛用しているのにほとんどレビュー記事を見かけない機材」「だから俺が書く」記事をお届けします。今回のお題はNovation Circuit Rhythmです。この機種、円安によると思われる値上げ後の価格に加え、値上げ前の価格でも売られている(2023年9月現在)ので、ちょっと混乱しますが、どちらも正規輸入品です。
まずはともあれ「何が出来るか」を動画でまとめてみたので、ご覧ください。
Novation Circuit Rhythmは、全8トラック、1トラックあたり16/32ステップ(トラックごとに切り替え可)のステップシーケンサーが付いたサンプラーです。1トラックに使えるサンプルは一つではなく、ステップごとに別々のサンプルを置く(サンプルフリップ)ことが出来るので、見た目より表現力は高いです。また各サンプルの発音はモノラルですが、味のある内蔵ステレオディレイ/リバーブをトラックごとに掛ける事により、サンプルが「この機種でしか出せない音」に変貌するのが最大の特徴と言えます。スライス機能を活用することでループサンプルへの擬似タイムストレッチも可能です(ファクトリープリセットを聴くと使い方が判ります。ただしあくまで「疑似」なので、過大な期待は禁物)。
旧Circuit時代から定評のある、打ち込み易さも健在です。また、本体を使ったサンプリング(インプットはステレオですが、モノラルサンプリングになります)や、サンプルの破壊編集(トリム)も可能です。自分はWAVファイルをインポートして使うことしかやっていないので、ディスプレイがないのにどうやって編集するんだ、と思うのですが、何とか出来るみたいです(笑)。まあ、基本はPCからのWAVファイルのインポートで使うのでしょうね。
と、ここまでは良いことばかり書いているようですが、欠点もあります。最大の欠点は、本体に内蔵出来るサンプルの秒数が「228秒」に制限されていることです。MicroSDカードにいくらサンプルを詰め込んでも、本体には「パック」という形でしかロード出来ず、1パックあたりの制限が228秒なのです。その228秒を、128個のサンプルスロットに分けて使う必要があります(スロットを全部使い切る必要はありません。また1サンプルあたりの最長秒数は32秒です)。
僕は1パックに、1~2小節のループを40~50個程度(BPM120のループ1小節が2秒です)、残りをワンショットのドラムや楽器音という形でサンプルのWAVファイルを納めていますが、市販のサンプル集に収録されているループはたいてい4~8小節なので、ぶっちゃけPCでの事前編集(※)が面倒です。が、いったん「パック」にサンプルを詰め終えてしまうと、先ほど書いた味のあるディレイ/リバーブを掛けつつ、自由自在に(オーバーですが)打ち込みが楽しめてしまうので、なかなかどうしてハマってしまう面白さがあります。
なお本体が傷つきやすいので、裸でぽいっと他の機材と一緒にバッグなどに入れないようにしましょう。個人的にはとても好きな製品です。何より軽く、充電バッテリーで動くので、さっと取り出して打ち込めるのが良いですね。以前紹介したElektron Model:Samplesとはまた違った味のあるサンプラーです。
※PCでのサンプルの管理・編集には、メーカーは別になりますが無料の「ADSR Sample Manager」がたいへん便利です。
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